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ケアとアートの可能性を
社会に提案するプロジェクト

- アトリプシー ART+3C (Care+Communication+Connection)  

闘病者が治療中、少しでも不安や苦痛を伴わないように。そして、当事者やご家族・ご友人が言葉にできない思いを伝えられるように。アートを介したコミュニケーション方法を提案。

私(がん患者)の体験と気づきを伝えることで、命の大切さ、人間の尊厳や存在意義など、その人にとっての生きる意味や価値についてを考える機会、どう生きるかに関連するコトやモノを取り上げ働きかけます。

 

それぞれの痛みをケアしていくきっかけをつくり、自分自身や他者を思いやる心のゆとりを創出します。

アトリプシー/ART+3C

- ART+3C (Care+Communication+Connection)  

Artとは、表現者が鑑賞者に伝わるモノやコトを創り出すこと。表現する技法や道具にとらわれず、ストレスや痛みを緩和するための術。

Communicationとは、表現者たちが自らの心や身体の変化をアートを通じて伝えていくこと。社会に理解者を増やしていくための活動である。

 

Connectionとは、表現活動を通して生活の中に創り出されたつながりの場、芸術環境のこと。聴くこと、観察すること、感じること、理解することを大事にした創造性の教育の場であったり、一人では無理だけど誰かと一緒なら学べるという可能性や希望を感じられる社会。自分自身が一番楽しめて、自分の可能性を実感できる世界。

Careとは、自己肯定感の回復であったり、生きている環境や価値観をより良く変える取り組み。優しい人と人とのつながりの中で、生きる力の源となる喜びや幸せを感じて関係性の回復につなげること。​

VISION

「緩やかにつながっていく循環型のケアの実現を目指します」

それぞれの痛みをケアしていくきっかけをつくり、自分自身や他者を思いやる心のゆとりを創出します。また、命の大切さ、人間の尊厳や存在意義など、その人にとっての生きる意味や価値についてを考える機会、どう生きるかに関連するコトやモノを取り上げて働きかけます。結果、それぞれの生活のクオリティーが向上につながります。

どう実現するのか?

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表現して

Art

アートのワークショップを企画・開催し、気軽に自己表現できる機会をつくる

披露して

Communication

アートを披露する場所として、病院や大学、企業の一室を期間限定でアートギャラリーにする

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​つながる

Connection

アートやスカーフを販売し、収益の一部を、当事者へ還元する。社会にケアを循環させる

セルフ・コンパッション

困難な状況において、自己に生じた苦痛をありのまま受け入れ、その苦痛を緩和し、幸せになりたいと願う、自己と肯定的に関わることでケアをする。

共感

個人の境界線を越えて、私と他者(私たち)の間に響きあう心の現象、人と人とが関わり合い、互いに影響し合うことでケアをする。

遊びごころの再生

自分の行動に好奇心を持ち、取り組み続け、自分の力や考えを信じて前向きに可能性を追求する楽観性を持つことでケアをする。

ウェルビーイング

社会で自分のアート(自己表現)が認められることによって、自己肯定感の回復につなげる。がんを患っていたとしても最期まで「よく生きること(well-being)」が目指せるように、社会の中に優しい人と人とのつながりを創り出すことでケアをする。

Care

プロジェクト内容

​プロセス

2024

当事者(私=I)が実践

​がん患者としての体験と気づきをアートにして披露し、QOL向上のための商品(スカーフ)を作成し販売する。私もやってみたい!と思う共感者を集めアート体験、ワークショップを開催する。インクアートを用いたアート体験と、AIで生成するデジタルアートのワークショップを実施する。

​そのワークショップでできたアートでプロダクトの試作を実施。

2025

仲間(私たち=WE)を集める

​プラットフォームを構築

​共感者たちとQOL向上のための商品を検討し、試作・制作を行った商品を販売するアートギャラリー機能を有するプラットフォームを構築する。この活動に関わりたい人は、だれでも(病気であってもそうでなくても)抵抗を感じず仲間になれるように、関係性をデザインする。なお、私(管理者)が存在しなくても、プロジェクトを推進できる自律的組織を目指す。

2026

社会課題を解決する

​仕組みへと進化

(みんな=ALL)

​蓄積されたアートや情報を軸に、事業として展開。その収益の一部をがん患者とその家族へ戻し、治療中の収入を助ける仕組みへと進化させる。みんなが同じ方向を目指す必要はなく、組織の中で自分のスキルを活かせるように、そして、自分で関わり方を決められるように、人々が自分らしく未来に向けた行動がとれることを目指す。多様な人々とともに、よりよく生きていくための実践の場を継続できるよう活動する。

募集

絵を購入・展示してくださる病院や企業様へ

絵を購入(展示)していただける病院・企業(会議室を美術館に)や、スカーフを販売をしてくれるお店を探しています。闘病者やご家族は痛みを公けにせず、あなたの身近に存在しています。社会の中に小さなケアのタネをまかせてください。

2

絵を描いてスカーフをつくりたい闘病者やその関係者様へ

スカーフの絵柄の募集しています。参加してみたい...がん患者やご家族がいらっしゃいましたら、絵が描けなくても問題ありません。やってみたい!という好奇心を抑えず、心が動くままにご連絡ください。

3

ワークショップや運営を手伝ってくれる方へ

アートのワークショップのサポート(芸術系の教育者など)、アートギャラリーを運営したことがある方、場所を所有している方、アートの権利など法的な知識を持っている方、アートとケアの研究を一緒にしてくれる研究者など、少しでも興味があればご連絡ください。

ところで
なぜ、スカーフなの?

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一人ひとりの豊かな暮らし

  • 抗がん剤によって、髪の毛が抜けてもファッションを楽しみたい

  • 過酷な治療によって容姿の変化が起きても、豊かな日常を送りたい

  • 心を癒し、勇気を得て、癌に立ち向かいたい

  • 闘病している人たちを励まし、勇気づけたい​​

スカーフ

今の私に、できることは何か。

突然、髪の毛が抜け落ち、まだらになった自分の姿を見た瞬間、言葉では言い表せない衝撃が走りました。

 

ドラマで見る脱毛シーンと現実は異なり、シャンプーをして、目を開けたら大量に抜けた毛が足にべっとりと張り付いていたあの恐怖体験は、あれから数年経っても忘れることはありません。抜け落ちた髪が、水の流れとともにドロドロと排水溝に向っていく様子を見つめ、どうやって掃除しようと考えていました。そして、

私の容姿は、今、どうなっているのだろう。

早く鏡を見て自分の容姿を確認したい気持ちと、怖くて見ることができない気持ちが混ざり合い、言葉にはできない思いがこみ上げました。

癌の治療をしている中で、たくさんの辛いことを経験したけれど、髪の毛を失った日のことは、鮮明に覚えています。当然、髪の毛が抜けることは、主治医から聞いて知っていたし、私は、長かった髪を短く切って事前準備も万端でした。美容師さんからは、「大丈夫。また生えてくるから」と何度も呪文のように言い聞かせられて挑んだ抗がん剤投与。

だけど、風呂場で大量に抜けた排水溝に絡まる自分の髪の毛をつかみながら、恐怖に震えあがりました。

抜けてスキンヘッドとなってから、2年半が経った2024春。ショートカットより短いけれど少しずつ生えてきました。髪の毛に関しては個人差があり、なかなか生えて来ない人もいれば、すぐに生えてくる人もいます。中には、髪質が変わったり、白髪が増えたり、薄毛になったりする人も。私のように、元通りにならないことも多いし、抜けた毛はそれなりの月日が経たないと長くはなりません。

私はこの経験を踏まえて、髪の毛があってもなくても、日常を楽しめるように、髪のことを気にせず人と関わり合えるように、そして、おしゃれを楽しむことを諦めないように、自分ができることは何だろう?と模索しています。

42歳の春。乳癌になってから、私の人生は大きく変化した。今まで通り生きたいと思っていても、できないことが多い。だけど、その変化を受け入れて、前へ進むしかない。私は、これまでの人生を見直し、今まで培った学びや体験を生かして、ケアとアートの可能性を見つけるために、研究と実践を行うことにしました。

スカーフを広げた様子

隠すではなく、
魅せるファッションを。

私は、癌患者でありがなら、シングルマザーであり、フリーランスでもあります。

つまり、私を養ってくれる家族はおらず、大きな蓄えもない…。だから、病気であっても、仕事は続けないといけませんでした。まだまだ、癌と聞くと「死」を連想する人も多く、癌だと言った途端、契約を切られることもありました。だから、病気について、気安く人に話すのはやめようと思いました。

抗がん剤の副作用はどの程度過酷なのだろうか。
脱毛はウィッグで隠しとおせるのだろうか。

私は、たくさんの不安を抱えながら周囲に癌であることをできる限り隠し、ウィッグを購入して、元気なフリをし続けました。肉体的にも精神的にもツライ闘病生活で、暑い日にかぶるウィッグは蒸れ、風の強い日にかぶるウィッグは、飛んでいくのではないかとハラハラし、抗がん剤の影響で体調が悪い日にかぶるウィッグは、頭痛がして・・・。でも、ウィッグを付けないと病人だとバレる。無理やりウィッグを装着するしか方法はありませんでした。

全ては病気である自分を隠すため。オシャレとは程遠いところで、偽りを纏い我慢している自分が、どうしようもなく哀れに感じました。

 

現在、癌患者は、100万人を超え、死亡数も38万人以上と死因のトップである。その中で抗がん剤治療を必要とする患者の多くが髪の毛の問題を抱えています。また、癌は残念ながら、それなりの確率で再発し、再発するとまた抗がん剤が始まります。そうすると、また、髪の問題に悩まされるのです。

私は、闘病中にスカーフに出会い頭に巻いていました。スカーフを巻くと解放感に駆られます。あのサラサラした触感、通気性もよく心地が良い。締め付けられるような痛みも軽減されます。

ただ、ファッション好きの私だから頭にスカーフを巻けたのかもしれません。それで、X(ツイッター)で1000人ほど繋がっている癌患者たちに、「スカーフ頭に巻いてみたことある?」とアンケートを取りました。結果は、多くの方がスカーフを頭に巻いてみたいけど、やり方がわからないという回答でした。

その回答を元に、自分の愛着のあるデザインであればつけることを躊躇わないのではないか、そして、私がつけ方を教えることができれば、ずいぶん昔からあるこのスカーフというツールが、同病者の助けになるかもしれないと思うようになりました。

スカーフの原画

わたしのアート性と出会い直す

私はデザイナーだから、自分で絵を描くこともできるけれど、誰かのアート性を呼び起こすきっかけを作ることもできます。乳癌の患者は、子どもを持つ母親が多く、私もその一人です。だから、子どもと一緒に絵を描く機会をつくることもできるなぁと、そしてその絵をスカーフに落とし込んで身につけるのはどうだろう?と考えるようになりました。

考えたくはないのだけど、もしかしたら、子ども達を置いてこの世を去るかもしれない。だから、できる限り、親子である証を遺したい。私がいなくなった後も、私を感じられるように。

そして、スカーフは、あまり劣化しません。皆さんのクローゼットにも、おばあちゃんのスカーフが眠っていると思います。シルク製だとさらに長持ちします。だから、自分への思いや周囲への思い、もしくは周囲からの思いをアートで表現し、シルクでスカーフをつくってそれぞれが身につけることができたら、生活の質(QOL)が上がるのではないかと思い始めました。

 

スカーフが、ケアするアイテムとなり、未来への希望や生きる力を感じられる余裕が生まれるのではないか。さらに、痛みと不安を軽減する、勇気のわくアイテムになるのではないか。

言葉ではなくアートで愛情を伝え、その愛が受け継がれていくような商品をつくろうと思い試作を始めました。


さらに、この作ったスカーフが売れたら、制作者にわずかながら還元することができ、副作用で働けない時の少しの助けになるのではないかと、夢を描くようになりました。闘病中、私はお金に困ったので、何か手立てになることがしたい!

まずは、私の体験と気づきを世の中に発信し、私が、私らしいスタイルで、癌に立ち向かっている姿を見て欲しい。病気になっても、容姿が以前と違っても、ファッションを楽しんで、人生を豊かにしようとしている姿を。

そんな思いを込めて、2024年生み出した第一弾「生命の息吹」。私の娘が描いた作品を用いて、シルクのスカーフをつくり、愛と勇気を纏っています。

スカーフを横から見た様子

​私にできること

① 私自身ががん経験者であること。フリーランスであり、シングルマザーであり、治療中生活に困った当事者であること。がん患者としての体験や気づきをお話しすることができる。


② 絵を描く表現者であること。

Osaka Art & Design 2024 大丸梅田店で展示販売実績あり。


③ システムエンジニアとしての経験、ウェブ制作、紙媒体のディレクション、ブランディングと経験を積み、20年以上デザイン業界で働き知識を得ているため、デザイン領域の制作はトータルで作ることができる。


④ 元繊維商社出身なので、繊維関係のモノを作る協力者と背景があるため作ることができる。


⑤ 2年間地域でアップサイクルのワークショップを月1回実施していた経験があるため、ワークショップの企画・運営もできる。


⑥ 2023年に京都芸術大学大学院卒MFA(芸術修士)を取得し、東京藝大DOOR7期生、2024年修了。アートミーツケア学会所属。コミュニケーションデザインやアート×ケア領域の研究者であるため、実践と研究を平行して事業化していくことができる。

​アートを自己表現に用いることで、
人はケアされるのか。

がん患者にかける言葉は難しい。

どのような声をかけるのが正解なのかと、当事者である私もいつも悩みます。言葉は、受け手の性格や状況に応じてポジティブにもネガティブにも捉えられてしまいます。私たちが良く言われる「○○さんも乳がんだけど今元気だよ!だからあなたも大丈夫。」。私は、さらっと流せますし、励ましてくれようとしているんだなと受け止められますが、多くの闘病者はこの言葉にイライラしてしまいます。だって、その○○さんと私の乳がん、全然タイプもステージも違うから。ひとくくりに、簡単に、「大丈夫」なんて言わないでほしいと思うのです。

​私は、こういうもどかしい対話を何度も体験し、お互いの気持ちをあえて言葉で伝えなくても良いのではないかと思っています。言葉の代わりに思いやりや愛をアートで表現する。この行為によって、お互いケアされるのではないか、と考えています。

アートによる自己表現を行うことによって、自分と他者の痛みをケアしていくことにつながり、よい人間関係が構築できるのではないかという問いに対して、デザイン思考を用いながら研究と活動を実践しています。

RQ:アートを用いたコミュニケーションを行うことによって、気持ちを交わす場=コミューン(ちいさな社会)ができあがり、 互いによりよく生きられる毎日(ケアされた状態)を生み出し合う関係になりうるのではないか。


​2024
スケジュール

2023年4月より、製品(スカーフ)をつくる背景を探し、制作のプロセスを検討してきました。2024年1月。ようやく、目処が立ち活動を開始しました。

2024年のスケジュール

2024年2月~3月 試作用デザイン制作

2024年4月~5月 プロダクトの試作

2024年6月     展示販売

2024年7月     共感者を募る→ワークショップ

2024年8月     資金調達

​2024年9月     共感者のアートでプロダクトを試作

​2024年12月    展示販売(プラットフォームで)   

もし、協力してくださる方やこのプロジェクトを一緒にやりたいと思う方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡いただけると嬉しいです。

① 当事者・そのご家族・ご友人で、アートを描いてくれる人
② アートのワークショップのサポート(芸術系の教育者など)
③ ワークショップを開催する場所の提供
④ アートの展覧会を開催する場所の提供
⑤ アートを展示・購入してくれる企業や一般の方
⑥ アートを用いて作ったプロダクトを販売・購入してくれる企業や一般の方
⑦ アートギャラリーとしての機能も有したいため、事業方法を教えてくれる方
⑧ アートの権利など法的な知識を持っている協力者
⑨ この活動の運営資金を融資・寄付してくださる企業や一般の方。
⑩ アートとケアの研究を一緒にしてくれる研究者。

ご​連絡は、info@satsuki.design(担当:ジャスミン)までお願いします。

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