アメリカ、ニーナ社の子会社である、FiberMark社の紙、MATAL-Xを使用してバインダーを作成しました。
FiberMark社は、アメリカ、マサチューセッツ州にあり、1861年に設立された製紙業100年以上の歴史を誇る装飾紙メーカーです。製紙からコンバーティングまで自社一貫生産体制で高品質な製品を作っておられ、最高度の品質の実現のため、全工程にわたって各ステップを厳しく管理。パーフェクトな製品を作り続けており、真の製品価値を追求する世界中に顧客を持つ素晴らしい会社です。
そして、私が今回選んだ大事なポイントは、環境保護にとても力を入れているところ。
ファイバーマーク社は長きに渡って、環境保護を意識した生産を心がけています。原材料から鉛・重金属を追放。処分時にダイオキシンを発生しないPVCの代替素材として、安全性を求める方々からも高い評価と指示を得ています。また積極的に、FSC(Forest Stewardship Council 森林管理協議会)認証の取得を推進し、森林保全に貢献するべく日々取り組んでいます。ステキ。 そして、サイトのトップに「~your brand’s promise」(あなたのブランドの約束)を助けるっていうメッセージが入っているので、この紙でやるぞと決めてお客様に提案しました。
お客様のことは詳しくは書けませんが、私はブランディングからやるのでそこで決めたことを各ツールに反映していきます。進化、前進、誠実、ファッション性ということがこのツールから伝わることと機能的に強度が必要でした。ある程度雑に扱っても耐えられる、優れた耐久性を必要としつつも、劇的な視覚的魅力も必要。
業者さんに何度も足を運びかなり探して、MATAL-Xを見た瞬間、「これだ!」と声が出ました。美しいメタリックトーンと独特の質感が素晴らしい紙。でも、大事なのはちゃんとお客様が必要な日に納品できるかです。この紙は日本になかったので、海外から日本に入れてもらわないといけません。間に合うのか。さらに、日本のバインダー専門の会社で作ってもらったのですが、制作工程がとても細分化されているので、スケジュールも綿密に決めなければなりません。どこで、失敗しそうで、どこで(時間を)巻けるか。あんまり余裕はなかったけれど、すべてを考慮し安全に着地するためのバッファを入れていきます。試作も数回やりたいし。
なぜなら、この紙は頻繁に使う紙ではないので、思ってもみなかったことが起きる可能性があるからです。例えば、合紙工程で思いのほか反るとか、巻きの難しさとか。だから、何かあった時に知識と経験でカヴァーできて、何とかしてくれる責任感の強い人たちにお願いしなければなりません。私のこだわりに、最後まで付き合ってくれる人たち。時間がないからできないとか、妥協して納品しないように、コミュニケーションの時間もしっかりスケジュールに入れていきます。
グラフィックデザインは装飾的なものではなく、今回は、文字のみ。表紙と背表紙に箔押しを施しましたが(箔押しの部分に社名が入っているのでお見せできず、すみません)、箔押しもベテランチームです。狂いのない何とも美しい仕上がり。
バインダーなんて、市販のものでいいじゃん!って思うかもしれません。でも、私はひとつひとつ設計されたツールが皆さんの課題解決の手助けをしてくれると思っいます。だから、全力で(予算の範囲で)細部にまでこだわって作ります。これを手に取った時に、お客様が未来に向かって頑張れるように。そして、お客様のお客様が、お客様のファンになってくれるように。
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